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ピエール・トレトン監督の「イヴ・サンローラン」をみて [映画]

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闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.882&ふぁっちょん幻論第95回

 2008年に亡くなった偉大なクリエーターの生涯を辿る伝記映画ずら。40年に及ぶ公私にわたるパートナー、ピエール・ヴェルジュ自らが出演して貴重な証言をしているのでこの偉大なクリエーターの栄光と孤独と悲惨が白々と浮かび上がってくるようだ。

 いくら才能に恵まれていたとしてもオートクチュウールだけで年間500点、プレタポルテを合わせたら総計1000点のデザインを無から作りだす作業は、彼自身が引退記者会見で語っているように「地獄の苦しみ」だったろう。

 アルコールや麻薬におぼれるのも当然の異常な世界だが、でも同業のシャネルのカール・ラガーフェルドなんかは黙々とその地獄の世界を浮き沈みしているというわけだ。

 桑原桑原、たかがふぁっちょん、されどふぁっちょん、あな恐ろし。


  三年ぶりに真夏の午後に聴きました吉田秀和「名曲のたのしみ」 蝶人

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