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鎌倉国宝館で「常盤山文庫展2015」をみて [鎌倉ガイド]

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茫洋物見遊山記第184回鎌倉ちょっと不思議な物語第346回


 すでに6月28日に終了してしまいましたが、「常盤山文庫」というのは鎌倉山の開発に尽力した故菅原通濟が1943年に創始した美術コレクションの名前です。

 通濟が住んでいたのは鎌倉笛田の常盤山。「文庫」と名付けたのは美術品の蒐集と共にそこを学者が集まる研究の場でもあってほしいという願いが込められているからです。

「常盤山文庫」の母体は、通濟が収集した墨蹟や水墨画などの書画でうち2店が国宝、22点が重要文化財に指定されているハイレベルのコレクションです。

 今年の本展では「鎌倉禅林の墨蹟と頂相」をテーマに鎌倉ゆかりの禅僧の墨蹟が出品されていましたが、国宝の「清拙正澄墨蹟」をはじめ、無学祖元、蘭渓道隆など宋、中国の僧の筆跡は、同時代の多くの日本人と違って自由闊達で、見ていて気持ちが宜しい。

 同じ漢字を扱いながらその書きぶりが無造作でありながら、味わいが深い。後代の日本人は、こういう天然天真爛漫の筆致をまねぶ精神を等閑に付してきたのではないでしょうか。


 筆跡を見ればだいたい分かるはずあんたがなんぼのものであるかは 蝶人


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