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小川洋子著「琥珀のまたたき」を読んで [読書]

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照る日曇る日第841回

恐ろしい悪夢と珠玉のファンタジーが表裏一体になった長い散文詩のような、不気味でリアルなグリムの童話のような、これまで誰も夢見ることがなかった比類なく美しい夢のような、実際に母親と3人のきょうだいの身の上にどこかの国で起こった人知れぬ悲劇のドキュメントのような、科学と芸術が結婚した披露宴のような、1枚のページをめくって閉じるその瞬間に姿を現す小さな小さな妖精のような、あらゆる物語の優しい母親のような、この世にありそうで、なさそうで、やっぱりありそうなお伽噺のような、読むほうはたやすいけれど語り手の方はすごく大変そうな、森の中を光と風と人間と動物たちが通り過ぎる、そんな小説でした。まる。

西暦は2016年平成は28年か また1年かけて新しき年号に馴染んでゆくべし 蝶人

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